シルバーブラッド 眠らぬ夜に
自分は動いていない。

振り返るより早く、誰かの腕が背後から浩之に絡みついてきた。

胸に巻きついた片手で締め上げられ、抵抗すると、もう片方の手が、首元に何かを突きつけてきた。

多分、ナイフだ。
 
浩之は無駄に抵抗するのをやめた。
 
すると、目の前からナイフが退いた。

代わりに足を蹴られて、浩之は床に転がった。


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