シルバーブラッド 眠らぬ夜に
それは的確に男の顔に当たった。

男はひるんだ。

一歩後ずさりして、ビー玉に足を取られたらしく、後ろ向きに派手に転んだ。
 
浩之は飛び起きて、男の顔を蹴り上げた。

うめいた男にのしかかって、殴りつけた。
 
生身の体を殴りつける感覚。

すっと、浩之の頭から理性が消える。
 
『自分を傷付けようとした人間に容赦はいらない』
 
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