シルバーブラッド 眠らぬ夜に
今は、ふらふら歩いてないで、どこかに身を隠した方が賢明なのだ。

浩之ははたと足を止めた。

『どうせ襲われるんなら、山小屋に戻ったって同じじゃないか』

さっきの男がいるかもしれないが、いつまでも転がってはいない気もする。

『這い上がって、次のチャンスを待っているか、邪魔でどこかへ片付けられたか』

片付ける、という自分の発想がなかなかシュールで、自分でもおかしくなった。

とにかく小屋へ戻ろう。

少なくとも、あそこなら、こんな寒い思いをしなくてすむ。
 
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