シルバーブラッド 眠らぬ夜に

逃2

もし中に誰かがいたら、浩之がドアを開けようとしていることは隠しようがないので、思い切りよく、ドアを全開に引き開けた。

口を開けた小屋の脇に身を潜めて、そっと中を見た。

さっき男が転がっていた場所には、もう誰もいなかった。

浩之はとりあえずほっとした。

小屋の中には、誰かが潜んでいられそうな場所はない。

それを目で確かめると、転がったままのビー玉を踏まないように暖炉の方へ近づいた。

脇に置いてある木を、手に取る。

朽ちていてよく乾いている。

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