シルバーブラッド 眠らぬ夜に
まだ胸を焼いている、感触が痛くて、思わず、手でネックレスをはらった。

力が強すぎて、思わず引きちぎってしまった。
 
カラン。
 
指から離れて転げ落ちた石が小気味のいい音を響かせた。

浩之はハッとした。

その音と同時にある記憶が甦ったのだ。
 
浩之は英樹に焼き殺されかけた直後、ショックでしばらく口がきけなくなった。
 
その時のことを、今、浩之はまざまざと思い出した。
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