シルバーブラッド 眠らぬ夜に
浩之は頭を顔を、夢中で殴り続けた。
 
生かしておいたら、また仕返しをされる。
 
殺すしかない。
 
それしか頭になかった。
 
英樹がぐったりすると、ほっとした。
 
手から石が滑り落ちた。

血が、べっとりとついている。
 
そうだ、隠さなきゃ。
 
浩之は、英樹の体の上に、石を積み上げていった。

英樹が見えなくなるころには、雨が降り始めた。
 
この雨が、血を洗い流してくれる。
 
天はオレに味方してくれている。
 
そうだったのだ。

オレはあの時、英樹を殺したのだ。
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