シルバーブラッド 眠らぬ夜に
「何でそれを知ってるんだ?」
 
率直に訊いてみた。

彼女は返事の代わりに引き金を引いた。
 
弾は、じっとしている浩之の、手の甲をかすめて飛んだ。
 
狙いがだんだん正確になってきている。
 
あとは、当たるだけ。

次は左の太ももに、熱さを感じた。

弾はかすかに、肉をそぎ落として行ったらしい。

少しして、たらりと血が流れるのを感じた。

浩之は身を固くした。


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