シルバーブラッド 眠らぬ夜に
彼女は、手で体を庇うこともしないで、鈍く重い音を響かせた。

彼女は動かなくなった。

浩之は穴から足を引き抜いて、そばへ這い寄った。
 
彼女は顔を横向きに、倒れている。

覗き込んで、心臓を引っ掴まれる思いがした。

彼女の喉に、ナイフが突き刺さっていた。

何で?

彼女に息があるか調べようと、唇に耳を寄せた。

と、呼気の代わりに、ぎしっと床のきしむ音を聞いた。 



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