シルバーブラッド 眠らぬ夜に
ほんの微かな音だったけれど、今の浩之の注意を引くには十分な音だった。

目を向けると、誰かが素早く動いた。

浩之の方へ来る。
 
誰だかわからないが、善意の第三者であるはずがない。
 
状況からして、彼女の喉にナイフをつきたてた犯人に違いないのだ。

英樹は身構えようとした。

それより早く、背中に衝撃があった。
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