シルバーブラッド 眠らぬ夜に

犯人、に、捕まってしまった。
 
抵抗する間もなく、相手の体と腕の間に強く挟まれた。

身動きもできない。

鼻先にはナイフが突きつけられていた。
 
不本意ながら慣れてしまった、その、冷たい感触で、それがナイフであることが分かる。
 
目を落とすと、案の定、めらめら灯る明かりの中で、鈍く光る刃先が見えた。

『あと一人』

は、柴崎さんだったはずだ。

数が合わないじゃないか。

刃先を見ながら思った。

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