シルバーブラッド 眠らぬ夜に
「痛かったぞ。

今度は、お前を送ってやる。

ゆっくり、な」
 
腕を捕まれて、英樹の方に向き直らされた。
 
淡い闇のなかで、笑みを浮かべて英樹を見た。
 
英樹はあざ笑うような表情で浩之を見ていた。

その表情からは、狂気がうかがえる。

目が、異様にぎらぎらしている。

以前から、浩之をいたぶっているとき、ちらりと垣間見えるものではあった。

今では、それに全人格を支配されているように見える。

「相変わらず、脳ミソの軽そうなヤツだな」

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