シルバーブラッド 眠らぬ夜に
浩之を殺そうとした彼女。

それなのに、可哀相に思えてくる。

それでも浩之は、それを表に出ないように、

自分をコントロールした。
 
英樹は、その浩之の表情に一瞬走った微妙な変化を見逃さず、

満足そうに笑みを浮べた。

「まあ、お陰で少しは楽しませてもらったかな。

少しでも面白くするために、

メッセージのアイデアはオレが出したんだ。

お前は昔から異様に赤いものに惹かれるクセがあっただろ?

だからその赤を、

死へのカウントダウンに使ってやった」

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