シルバーブラッド 眠らぬ夜に
英樹の後ろに、

芝崎さんが立っていた。

銃口をぴったりと英樹の背中に当てて。

まだ、

首にナイフが刺さったままの姿だった。

浩之は黙って彼女を見ていた。

「待ってくれ、カオリ」

英樹の声が震えていた。
 
少しかかったらしい希硫酸のせいで、

頬にみみず腫れが出来ている。

そのせいで、余計に哀れに見えた。

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