シルバーブラッド 眠らぬ夜に
浩之は黙ってしばらくそれを見つめていたあと、

時計に目を落とした。
 
時間が明日に迫っていた。
 
それに気付いて始めて、

驚いた目で、

倒れている英樹を見た。

「残念、

あと少し生きてれば、

一つ歳をとれたのに」
 
浩之は、

ピストルをきれいにふき取ると、

英樹の右手に握らせた。
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