シルバーブラッド 眠らぬ夜に
助けるつもりはなかったが、

カオリという名前がひっかかったのだ。

彼女の頭の下に手を入れて抱き起こすと、

彼女は目を開いた。
 
何か言おうとしてるらしく、

唇を必死で動かそうとしている。
 
浩之は迷って、

ポケットに突っ込んでいた包帯を取リ出した。

彼女の首からナイフを抜く。

噴き出そうとする血を、

包帯でおさえた。


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