シルバーブラッド 眠らぬ夜に
英樹が脱いだ服に気付いて、暖炉の火に放り込む。

それから彼女を抱きかかえると、

小屋を出た。
 
とにかくそこを出ないといけない気がしたのだ。

 
彼女を抱えてしばらく呆然としていたら、

叢の向こうに、

自分の車が乗り捨てられているのが目に入った。

近づいて確かめてみると、

ドアが開いていた。

彼女を後部シートに寝させ、

ドアを閉めて、

運転席に行こうとした。
 

そのとたん、

小屋が地響きをさせてうなった。
 



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