シルバーブラッド 眠らぬ夜に
家に帰らなくて済むのはありがたいけれど、帰らない。
のと、帰れない。
のは大違いだった。
さっきはしばらく戻りたくないと思った部屋だけれど、こうなると急に安住の地に思えてきた。
戻りたい。
とすれば手段は一つだ。
這って階段を上がるしかない。
紙はポケットに突っ込んだ。
アスファルトに手をついて、ずるずると体をひきずってみた。
腰に力が入らないと、人間はこうも動けないものなのかと思った。
のと、帰れない。
のは大違いだった。
さっきはしばらく戻りたくないと思った部屋だけれど、こうなると急に安住の地に思えてきた。
戻りたい。
とすれば手段は一つだ。
這って階段を上がるしかない。
紙はポケットに突っ込んだ。
アスファルトに手をついて、ずるずると体をひきずってみた。
腰に力が入らないと、人間はこうも動けないものなのかと思った。