シルバーブラッド 眠らぬ夜に
母上が勝手に彼女に電話番号を教えたせいで、いい迷惑だった。

「悪いけど、オレは何の手がかりも持ってないよ。

あのときあいつが何を考えていたか分かるほど、仲のいい兄弟じゃなかったからね。」

「でも、一緒に住んでいたわけでしょ?

何となく様子がおかしかったとか、何か気付かなかったの?

出て行った先が推し量れるような、ほんの小さなことでもいいのよ。

思い出してほしいの。」
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