シルバーブラッド 眠らぬ夜に
「オレが何を言いたいかって言うとね。

そんなオレに、英樹が自分のいる場所を教えるはずがないってことなんだ。

だから、いくらオレに付きまとっても無駄だよ。

オレから訊き出せることなんて、何も無いから」

 浩之は、綺麗な熱い紅を飲み干すと、伝票を取り上げた。

「じゃあね」

言って立ち上がると、指に挟んだ伝票をヒラヒラと空気に泳がせながら、そこを離れて行った。

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