シルバーブラッド 眠らぬ夜に
「悪いな。いつも至急で。

気が付いたらいつも、入用の薬品が底をつきかけとるんだよ。

今すぐいるものとかが切れ掛かっているとどれだけ困るか。

切山くんのとこは、すぐにもて来てくれるから本当にありがたい」

「そうですか。

これからもなるべく至急の要望にもそえるように頑張ります。

でも、もうちょっと早く注文の方お願いしますね」

 小瓶をスーツのポケットに押し込んで、ダンボールを抱えると、錦先生がドアを開けてくれた。

「あ、錦先生、ありがとうございます。それでは失礼します」

浩之は錦先生の研究室を出た。

錦先生は好きなんだけどな。

訪れた後、どっと疲れる。

ここの研究生たち、よく体力が持ってるなあと感心する。

さて、他の研究室も回っていかなきゃ。

それから忘れないように納品書を事務所へ持っていかなければ。
 
 
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