シルバーブラッド 眠らぬ夜に
 外付けの階段を登りきると、鉄のドアがある。

 さすがにダンボールを一旦下において、ドアを開けた。

「おはようございます。八代薬品です」

 中にいた事務所の女の子が、ご苦労様、と声をかけてくれる。

 ここで人間に会うのはこれから先だけなのだ。

浩之はそう思うことにしている。

 事務所に入り、さらに奥への扉を開けると、試験室がある。

「おはようございます。八代薬品です」

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