シルバーブラッド 眠らぬ夜に

 丸底フラスコを逆にしたような形で、上に溶液を入れる口があり、下には、二重に栓がある。

一個目の栓を開くと、管になっている部分に一定量の溶液が入り込む。

そこで一個目の栓を閉め、二個目の栓を開けることで、量り取った分の溶液を器具に注ぎ込むことが出来るのだ。

そこにも、きらきらした液体が入ったままになっている。 

 栓と栓の間と上の部分に液体が入っている状態だ。

 何となくそれに手を伸ばすとポケットが机に触れて、中の瓶がカツンと鳴った。

右手の指先で一個目の栓を閉めた。

手のひらがズキンと痛んだ。

 『あと三人』

 メッセージが、急にリアルに頭の中に響いた。

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