シルバーブラッド 眠らぬ夜に
浩之は、いつも、服の下に痛みを抱えていた。

 精神的にも、身体的にも。

 しかも、親にばれたら殺すと脅されていた。

だから浩之はかなり小さい頃から親と一緒に風呂に入らなくなった。

 親の目には、変な子、としか映らなかったらしい。

 
浩之は、お土産の箱を開けた。

 綺麗な形のチョコレートが並んでいる。

「さっそくいただきます」

 言って、一つを口に放りこんだ。

 ビターな味わいだった。

 
< 88 / 241 >

この作品をシェア

pagetop