シルバーブラッド 眠らぬ夜に
普通に丁寧に書くと印刷されたような字だと言われる。

が、注文を受けながら、相手のしゃべる速度で書き取ると、えらいことになる。

表記も自己流で滅茶苦茶だ。

 なので、注文ノートは一旦自分の手で他人の読めるものに書き直さないといけない。

 とにかく、浩之はデスクについて座った。

 何となく落ち着く。

 ここにいる感じがとても好きだった。

 わざわざ自宅から遠い会社に入って、一人暮らしを始めた。

その後に待っていたこの環境は浩之にとって何よりありがたいものだった。

みんな気さくで優しい人ばかりで。

 
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