シルバーブラッド 眠らぬ夜に
何より、誰も英樹の存在を知らないことがありがたかった。
ここに座っていると、淡い感覚ではあるが、幸福感がある。
英樹のせいでフィルターを通してしか見えなくなっている現実にも、生身で触れられそうな気がする。
でも、その反面、怖くてたまらなかった。
英樹はいつも、浩之の一番大事なものを、壊してきたから。
トラウマだろうか。
ここにいる自分まで、失わされそうな気になる。
もう、英樹はいないのに。
ノートの上を這いまわる、みみずののたくったような字を、解読しにかかった。
と、
ここに座っていると、淡い感覚ではあるが、幸福感がある。
英樹のせいでフィルターを通してしか見えなくなっている現実にも、生身で触れられそうな気がする。
でも、その反面、怖くてたまらなかった。
英樹はいつも、浩之の一番大事なものを、壊してきたから。
トラウマだろうか。
ここにいる自分まで、失わされそうな気になる。
もう、英樹はいないのに。
ノートの上を這いまわる、みみずののたくったような字を、解読しにかかった。
と、