シルバーブラッド 眠らぬ夜に
まあ、滅多にいないけれど。
前に担当していたところに一人いたが、取引を切る寸前で担当が変わったので、浩之のわがままな理由でお得意さんを一つ減らす羽目にはならなかった。
浩之は、無言で食べ物を口に運び、アルコールではなく、アイス紅茶を流し込んでいた。
お酒は好きで、たいていのものは飲める浩之だが、飲んで気分が良くなって、女の子たちと気軽に話をし始める、なんて失態を演じたくはなかった。
「こいつ、無口なんで、許してやって。
それに、仕事のあとで腹が減ってるらしい」
牧野は調子よく、彼女たちと話していた。
浩之が喋らないのは、相手の子達と関わりたくない、という牧野との間で取り決めたサインなのだ。
そのサインが出ると、牧野はさらに饒舌にその場を取り繕う。
営業職が天職のようなヤツだ。
前に担当していたところに一人いたが、取引を切る寸前で担当が変わったので、浩之のわがままな理由でお得意さんを一つ減らす羽目にはならなかった。
浩之は、無言で食べ物を口に運び、アルコールではなく、アイス紅茶を流し込んでいた。
お酒は好きで、たいていのものは飲める浩之だが、飲んで気分が良くなって、女の子たちと気軽に話をし始める、なんて失態を演じたくはなかった。
「こいつ、無口なんで、許してやって。
それに、仕事のあとで腹が減ってるらしい」
牧野は調子よく、彼女たちと話していた。
浩之が喋らないのは、相手の子達と関わりたくない、という牧野との間で取り決めたサインなのだ。
そのサインが出ると、牧野はさらに饒舌にその場を取り繕う。
営業職が天職のようなヤツだ。