一つの恋の物語

学校のみんなには、もぅ知られていた。
そりゃぁそぅだよね。私と彰は学校で一番有名なカップルだったんだから。

彰は格好良くて、背が高くて、スポーツが出来て、楽しくて、髪の毛が茶色のくせに学年一の秀才。モテない訳がないっていうぐらい学校のほとんどの女子が大好きだ。それに比べて私は普通の女の子。容姿も普通、これと言って特徴もなくて、普通に勉強が出来る。どこにでも居る普通の中学生だ。

彰と私は全然つり合わない。そのせいで女子達から嫌がらせを受けてた時期もあってけど、そんな時は彰が守ってくれた。

廊下ですれ違うギャルグループや男子のかたまりが私を見ながら、話をしている。
「別れたんだって。」「結構、長かったよね。意外~。」「浮気されてたらしいよ。」「まぁいつかは別れると思ってたけどね~。」「彰と付き合って調子乗ってたぢゃん?ざまぁみろって感じ。」「マヂ?あいつら別れたんだ。」「彰、切り替え早ぇしな。」「かわいそ~。」

私は聞こえないふりをして教室に向かった。
ドアを開けたとたん、みんな私を見た。教室はしんとなったケドすぐに戻った。

「璃奈。おはよ~♪」
友達の友梨が話しかけて来た。優しくて面倒見のいい友梨は頼れるお姉さんタイプだ。勉強面では頼れないけど。

「おはよぉ。」
「マヂ眠たいよねぇ~。友梨さぁ、今ムショーにパフェ食べたいンだけど。放課後行かない??」
…ヤバイ。
「考えとくよ!ゴメン。ちょっと…。」
そぅ言って教室を飛び出した。階段を駆け上がって、屋上へ上る。

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