一つの恋の物語
バタンッ!!
勢いよく屋上のドアを閉めて座り込む。
「どうして…。」
「何で涙が出てくんのょぉ…」
わからない。これは私の涙なのに。どうして止まらないのか。
何が悲しくて泣いているのか。分からないのに止まらない。
彰の事なのか、みのりなのか、周りの反応なのか、友梨の優しさなのか。
ポッ… ポツ…… ポツッ…
ザ―――――………
雨が降り出した。制服が濡れちゃったけど、私の涙なのか雨なのか。
そんなのどうでもいいくらい、大降りだったから。もう少し雨に打たれる事にした。
キーン………
カー…
……ーン
雨の音にかき消されながらも、かすかにチャイムの音が鳴る。
それでも。
私は雨に打たれながら。声を出さずに泣いた。