初☆彼~ハツカレ~
あたしのファーストキス・・・・・。
まさかこんなにあっさりと奪われるなんて思ってもなかった。

しかも付き合っていないのに・・・。

あたしが唇を抑えてうつむいていると、橋田が覗き込んできた。

「もしかして・・・・初だった?」

声も出せずあたしはこくん、と頷いた。

唇が熱い・・・。
まだ触れているみたい。
変な感じ。

「俺で嫌だった?」

泣きだしそうなあたしを心配したのか、橋田はそっと隣に座ってくれた。

「勝手に・・・ごめんな?」

橋田はあたしの頭をポンポンと軽く叩いた。





・・・・・・・嬉しかった。






そのはずなのに、溢れてくるのは涙ばかり。

あっさりと奪われてしまったあたしの"ハジメテ"。

もう二度と戻らない"ファーストキス"。




そう思うと涙しか出てこなかった。







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