初☆彼~ハツカレ~
いや、清野が書いたとか山野が書いたとか関係ねぇ。
俺の恋愛歴史上初の大事件が起ころうとしている。

俺の好きな女が?

俺以外のヤローに告るって?


こりゃあ見逃がしはできねぇな・・・・。

ほっとけばそにまんまカレカノだろ?

無理無理。

そんなの我慢きかねぇよ・・・・・。


山野に告白なんかさせっかよ・・・・・・。

「ふざけんなよッ・・・・」


髪をくしゃっとやってエントリー用紙を投げ捨てた。



「じゃあやめちゃいなよ。」

俺は驚いて後ろを向く。


暗い廊下にうっすらと見える影。
長い髪とスカートが揺れる。

・・・・・・・・・・女か。


「ハイ。どーぞ!」

そう言って俺の目の前に大量のジュースと菓子を乱暴に置く。


「あぁ・・・・サンキュ。」


それはもう1人のクラス委員。

浪野磨苑(なみの まおん)。

ショートのボブで茶髪。おまけにキッツイ香水とケバいメイク。
かなりギャル度高めの俺が苦手なタイプ。

「てゆうか~。早く仕事してくれなぁ~い?」

そいうって俺のに腕を絡ませてくる。

さりげなくやめろ、と払って仕事を進める。
コイツは俺の本性と素顔を知ってる。

つっても幼馴染で知るも何もないけど。

さらにコイツは俺のことが好きな訳。
だからなんでも言うこと聞くのね。
女遊びもコイツの友達とかがほとんどだし?

俺は残念ながら磨苑にはこれっぽっちも興味がない。



この外見からして軽そうだろ??

でも違うんだ。


なんていうか・・・・


ネチネチしててすっげーしつこい。
良く言えば一途?




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