初☆彼~ハツカレ~
「来ないなぁ・・・・・・」

あたしは1人で呟く。

マンガとかでよくあるじゃん?
1人の時、彼氏が来てくれて抱きしめるみたいなパターン。

わざとやった訳じゃないけど、来てほしいなぁ・・・。



だんだん日が暮れて、寒くなる。
さすがにこの季節、セーターだけじゃ寒い。
ブレザーも着てくれば良かったぁ・・・。



戻る?
でもあんなことしちゃったし。
戻りにくいよ・・・・。



コツコツ・・・・・。

誰かがこの階段に上ってくる音が聞こえた。
橋田かなぁ・・・?
橋田だったらいいな・・・。

ガチャ、



「山野!!」

「橋田・・・・」

優しくしてくれると思った、のに。

「バカか!!お前何やってんだよ!!風邪ひくぞ!?」

いきなりお説教でした。

「バカはどっちだよ・・・・・・。」

「は?」

「橋田のバカ!!なんで女の子に優しくすんの!?あたしばっかり好きなんじゃん!!どうせ・・・・・ヒック・・・・・あたしなんてあの女の子の中の1人なんでしょっ・・・・」


自然に涙がこぼれてくる。

ぽろぽろとこぼれる。
止まらない。
止めたくても無理。


しばらく泣いてた。
その間はあたしも橋田も黙ってた。

ただひたすらあたしの泣き声が響いただけ。


「なあ。」


と橋田に言われて上を向いた瞬間。

「・・・っ!?」

口をふさがれた。

「あッ・・んっ・・・・・」

橋田の舌が入ってくる。
何これ・・・恥ずかしいよ・・・・。

「プハッ・・・・橋田・・・何すんの!?」

「ご機嫌とり。」






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