先生と私。

結城Side




あいつが去った後は…
石鹸の香りが鼻をくすぐった。

「畜生っ!」


俺はなにをした?
生徒であるあいつに…

俺はどんな顔で
生徒であるあいつを見ていた?


畜生…畜生畜生畜生

あいつが…あまりにも
"亡くなってしまった"婚約者に、そっくりで…


愛していた彩花にそっくりで…でも話してみると全然違った…

ツンデレで、賢くて…でも馬鹿で…彩花とは正反対な俺の生徒…


気にしてはいけない。
もう、俺は誰も愛してはいけない。
…愛せないんだ。


結局は俺自身が弱いだけ。恐がってるだけ。

また愛する人を俺のせいでなくしてしまうんじゃないかと…






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