追憶 ―箱庭の境界―
2・『 桃色の花びら 』

2・『 桃色の花びら 』


夜が駆け付けると我らは村に戻り、昼がやって来るまで毎夜その場でじっと耐えた。


人は夜に「夢」を見ると言う。
我らに夢は与えられない。

開いた瞼。
眠れない体。


毎夜、毎夜、

「あれ」を見る。


無くしたはずの感情と共に…
我は一人の少年と共に在った。



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