追憶 ―箱庭の境界―
どうか、待っていて。
鳥籠の中の愛しい貴女。
早く、貴女を自由に。
早く、貴女を只の女性に。
早く貴女を…
「…此の先の僕の人生は、全て貴女の為に…。貴女の為に僕が居るのです…」
「…マルク?」
「僕を信じて待っていて下さい。必ず貴女の望むままに…」
終わらない「鬼ごっこ」。
早く、
終わらせてしまいましょう。
貴女の、
いいえ、僕たちの、
「自由」の為に…
早く、
貴女を此の手で抱きしめたい。
其れだけの理由で、
僕は、「鬼」にも「悪魔」にもなれるのです。