追憶 ―箱庭の境界―
だから…、
『弟のリオンが、城を出ました。私を恨み、国を恨み。反乱軍としてこの国を救ってくれる日を、私は待ちます。』
そう…、
いつか幼きリフィル様は言っていた。
『――そうよ…弟。リオンは男の子じゃない!どうしてリオンが王家を継がず、女の私なの!私は継ぎたくなんてない!!』
…そう、
そうでした…。
どうして、
初めからそう気付けなかったのでしょうか…。
私は遠回りをしてしまった。
「…ふふふ…、あはははは!」
リオン様が、
サザエルの「王」になれば良い。
悪の根源であるのは、
「女王と従事者マルク」。
「私たち2人」を、
この国から、
この「鳥籠」から、
解放してくれれば良い。
だから…、
待ちましょう、リフィル様。
自由になれる日まで。
その為になら、
もう手段は選べない。
私は「鬼」にも「悪魔」にもなれるのです。
この国はサザエル。
越える事の出来ない「境界」が在る、私たちの「箱庭」…
悪政を続け、リオン様の、国民の恨みを沢山かいましょう。
早く早く、
私を、私たちを、
倒してくれる様に…。