追憶 ―箱庭の境界―
19・『 黒猫の訪問 』
19・『 黒猫の訪問 』
反乱軍リオン様は、
その姿を眩ましたまま、城に攻めいっては来なかった。
私の集めた奴隷を逃がし、地下に独立国を作っていた。
城に集める為の武器の搬入を、反乱軍が阻止する事も度々にあった。
何を躊躇する事があるのか。
直接、彼らが城に来る事はなかった。
15年という月日。
ただ無駄に時間が流れていた。
私もリフィル様も歳をとり、
この年月の中で解ってしまった事が1つ在る。
私は、
リフィル様を愛している。
しかし、彼女は。
私を「愛してはいない」のだと。
解りたくはなかった。
気付きたくは、なかった。
私の想いは、
「裏切られた」のだと…。
全ての想いは、
無駄だったのだと、
全ての行動は、
無駄だったのだと、
私は知ってしまった。
早く…私を、
殺して下さい。
でも、そう…
願わくは、
その時は、
貴女も、道連れに…