追憶 ―箱庭の境界―
「リフィル様にせっかく出来たお友達ですからね…。特別に逃がして差し上げましょう?」
『…本当!?』
幼い単純な仔猫は、表情を輝かせ喜びを表した。
「ふふっ…。さぁ…もう日が暮れる。私はお仕事です。」
終焉は近い。
準備をしなくては…
「私の気が変わらない内に、あなたも早く『ご主人様』の元へお帰りなさい…?」
ふふふ…、と。
私は目を細めて笑った。
最高の筋書きを、
準備しなくてはいけません。
哀れな私に、
哀れな「私たち」に、
最高の「死に場所」を…
最高の終焉を。