追憶 ―箱庭の境界―
「要求は、『紅い力』と、島のバリアの解除です。私は他の地へ移りましょう。簡単でしょう?」
目的は、紅い魔力。
それを手にして逃げる為かの様に、私は紅色のウィッチの心臓を抜こうとする。
さぁ、女。
皆の見ている前で。
紅色の魔力で、私を殺せ。
私の白い魔力が、
紅色の魔力に叶うはずが無いのだから。
昨日の様に、暴走しろ。
もう私に守るべく物は、
何も無い!
……
…………
……何故だ…
「くそ…!くそぉぉおぉぉぉ――!!」
私は叫んでいた。
紅色の魔力で体を拘束され、縛り上げられているだけに過ぎなかった。
――何故っ、殺さない!?
「ここまでだな、マルク!!」
「…ぐ…っ!!」
私はリオン様を睨んだ。
恨みます…
恨みますよ、リオン様…
「青服たち!…そのまま、魔力を持たないまま暮らしなさい。それが罰だ。いいね?」
リオン様は彼らに魔力を放ち、
『永久封印』を施した。
…甘い…
甘いんですよ!