追憶 ―箱庭の境界―
何故だ…
何故それで許されるのか!
私は、何をした!?
ラルファに!サザエルに!
そして、リフィル様に…っ!!
「マルク、お前も『永久封印』させてもらう。…アイリさん、私がマルクを預かろう。」
リオン様が私の近くに立ち、両手を構えた。
女から放たれ、
リオン様の手に拘束される。
その一瞬にも満たない間の事。
微かに…、
私の白い魔力が放たれた。
「………!!」
「気をつけろぉぉ!」
そう周囲が叫んでいた。
私を拘束し、締め上げる。
私の、
最後の…足掻き。
殺してくれる迄…、
罪に罪を…重ねるだけです。
「……くふふ…」
私は小さく、笑った…。
……カタカタ…
灰色の石畳の脇から、
上に伸びる雑草の緑色の中。
キース君の捨て置いてある大きな剣が、地面から小さな音をたて起き上がる。
「――…死ね…!ラルファの次期国王よ…お前の心臓はあと一つだろう…?」
私の掛け声を合図に、
その剣は鋭く突き進んだ。
あの速さで進む剣を、
遠方から止める術は何か…?
それは…
「…嫌よ、逃げてぇぇえぇ!!」
馬鹿ですね…。
…私を、
殺せば良かったんですよ…。