追憶 ―箱庭の境界―



罪に、罪を重ねた。

必要の無い事を繰り返した。



想いを相手に伝える事が、
理解し合う事が、

苦手だった。



誰に似たのか、
自尊心が高かった私は、

たった一言が言えなかった。


「全て私が間違っていた」

「殺して下さい」
「お願いします」



私は最悪の人間。

もはや、
人間ではないのではないか。


鬼、悪魔。

そう、きっとその類い。


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