君は星
爽は、勢いよくコーヒーカップを回した。

「きゃあ!!…もうッ、負けないんだから!!」

私も、負けじとカップを回す。

気が付けば、不思議と、笑いあえている自分がいた。



―…そうだよね。やっぱ、こうやって、普通に笑いあってていいんだよね?
アイドルである前に、イトコ同士だもん。



その空気に、とても心地よさを感じた。


そう思った瞬間、



指が触れた。



「!」

つい、私は、パッと指を離した。



―…駄目だ、何でだろう…?



ゆっくりと、カップは止まった。

「…?更莉ちゃん…?」

不思議そうに、真っ直ぐ私を見つめる爽を、うつむいていた私は、ゆっくりと見上げた。



―…そっか。そうだ…。



「どうかした?」

綺麗な、目。



―…アイドルとか、イトコである前に、爽は、"男の子"なんだ…。

「ううん、何でもない!」
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