君は星
私の中で、何かがふっきれた気がした。



「そっか。次、どうする?」

そう、その笑顔が、愛おしい…。

「爽が乗りたいのでいいよ。」

気が付くと、もうほとんど緊張せずに喋れるようになっていた。

「うーん…。もう、だいぶ日も落ちてきたから…」

え、嘘?

まだ、帰りたくない。

もっと一緒にいたい。



「最後に、観覧車乗ろうか。」



その笑顔と言葉に、私は、言い表せない気持ちで、胸がいっぱいになった。





私たちは、向かい合って座った。

そして私は、やっぱり前を向けずに、窓の外を見ていた。

「なんか、ドキドキするなぁ。」

爽は、久しぶりに乗る観覧車に対してはしゃいでいただけなのに、一瞬、私に対しての言葉かと勘違いして、ドキリとした。

そして、そんな自分がおかしくて、少しだけ愛しくもなった。



「そういえばさ」
< 23 / 60 >

この作品をシェア

pagetop