君は星
「チケット買う前、更莉ちゃん、何か言いかけてたよね?」

私は、ハッとした。

―…頑張って、私。

「あ、そうだった!その、爽の好きになった人、今、どうしてるの?」

私は、極力平然を装った。

ただの、"一般人の芸能人に対する好奇心"。

あくまで、それを装った。

「実は、最近、会えたんだよね。嬉しかったな。」





ズキン、という音が聞こえた気がした。





「そうなんだ、良かったね。…やっぱ、今でもその人のこと、好きなの?」

爽は、一瞬、とても真剣な表情をしたように見えた。

「…初めてその人を見たときから、ずっと好きだったよ。毎年、その想いは強くなるんだ。…もちろん、今も…。」





なんでかな?

泣きたいと思うなんて。

この前初めて会った私に、可能性なんて無かったのに。

分かってたのに。





「更莉ちゃん、見て!!」
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