君は星
爽が指さした方を向くと、あまりに綺麗な夕焼けが広がっていた。





まるで、全てをその色に溶かすような…。





その美しさに吸い込まれるように、私の瞳から、涙が溢れだした。



「…更莉ちゃん!?」

ほら、爽が驚いてる。

早く誤魔化さなきゃ…

「ごめ…ッ!!」

息が出来ない…。

「大丈夫?どうしたの!?」

爽が心配してくれてる…。
私の口が、勝手に動いた。

「…私、この前会ったばっかりで…その前は、ほとんど芸能とか、興味なかったから、爽のこと、あんまり知らないけど…ッ」



会いたいといくら願っても、普通なら会えない。



その上、話したり、メアド交換したり、遊びに来たり…





…手を繋いだり…





「…他に、好きな人がいてもね…」





私は、充分幸せだった。





本気でファンの子なら、死んでもいい、って言うくらい。





夢みたいにキラキラ眩しくて、あったかかった。





「…私、爽のことが…」
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