君は星
ふわり。
柔らかな温もりに包まれた。
爽は、私を抱き締めていた。
そして、爽は、私の耳元で、こう囁いた。
「好きだよ。」
涙で曇っていたはずの世界が、急に鮮明になった。
「…え?」
爽は、ははっ、と苦笑した。
「まだ言わないつもりだったのにな。やっぱり、"女の涙"には勝てないや。……それに、更莉ちゃん泣かせるくらいなら、言わなきゃ駄目だよね。」
「…嘘…何で…?」
「ずっと、好きだったんだ。」
「だって、小6の時に一目惚れって…」
「うん。更莉ちゃんに、一目惚れしちゃったんだ。」
「でも、私が初めて爽に会ったの、この前…」
「うん。」
「じゃあ、何で…?」