君は星





ふわり。





柔らかな温もりに包まれた。



爽は、私を抱き締めていた。





そして、爽は、私の耳元で、こう囁いた。








「好きだよ。」








涙で曇っていたはずの世界が、急に鮮明になった。



「…え?」



爽は、ははっ、と苦笑した。

「まだ言わないつもりだったのにな。やっぱり、"女の涙"には勝てないや。……それに、更莉ちゃん泣かせるくらいなら、言わなきゃ駄目だよね。」

「…嘘…何で…?」



「ずっと、好きだったんだ。」



「だって、小6の時に一目惚れって…」

「うん。更莉ちゃんに、一目惚れしちゃったんだ。」

「でも、私が初めて爽に会ったの、この前…」

「うん。」

「じゃあ、何で…?」
< 26 / 60 >

この作品をシェア

pagetop