君は星
「…分からない?」



「え…?」





「"年賀状の家族写真"。」





「……あ!!」

「小6の時、たまたま見た、親戚からの年賀状。それには、すごく可愛い女の子が写ってた。」

「……。」

「それから僕は、その女の子に、少しでも自分の存在に気付いて欲しくて、芸能活動を頑張ったんだ。
元々、母さんの希望で入った世界だったからね。
それに、親には、『この子に会いたい』なんて、恥ずかしくて、とてもじゃないけど言えなかったし。
毎年、元旦が楽しみになって、その度に、可愛く、綺麗になっていく更莉ちゃんに、愛しさは募っていった。」

「…本当に?」

「嘘なら、僕、こんなにドキドキしてないよ。聞こえちゃってるでしょ?」

「…私もドキドキしてて、分かんない。」

―…爽は今、どんな顔してるのかな…?

「嘘。更莉ちゃんも…?僕も、自分がうるさすぎて分かんないや。」





私たちは、笑った。
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