君は星
「…私、も……」

何故だか、声が変じゃないか、異様に気になってしまった。

『…うん。』

その声が、
   とても愛しい。




「……会いたい。」





―…ね、爽。





貴方は今、

どんな顔して、

どんな気持ちでいる…?




爽が、ぽつりと言った。

『…スケジュール空いてるの、一番早くて11月の1日なんだけど、平日だし…無理…だよね?』



11月1日…?



「…!!爽!その日ね、ウチの学校、文化祭なんだけど…。」

そこまで言って思った。



爽は、芸能人なのだ。



高校生だらけの学校に、来れるはずなんて…。

昨日の遊園地みたいに、帽子と眼鏡じゃ限界がある。


『……行きたいな。』

「……」

爽がいくら"行きたい"って言ってくれたって、無理なのだ。



…爽が、普通の人だったら良かったのに。








『ね、更莉ちゃん。』

「…ん?なぁに…?」
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