君は星
「…………好きだよ?」
「え?」
「そんなの…関係ない。学校にいても、戸山くんと喋ってても、私が好きなのは……」
溢れてくる。
涙と言葉が。
「爽が好きだよ…?」
嫉妬してくれるのは、
あまりに嬉しくて。
でも、こんな些細なことで、もし爽を失ってしまったら…。
星を奪われた暗闇の中、私は一人で歩けない。
もし、この想いがマヤカシだと言うのなら
この世界も、
私の存在も、
全てがマヤカシなのだろう。
スッ
爽は私の顔を上げ、
その指で涙を拭いた。
そして、両手を私の両頬に当て、私を真っ直ぐに見つめた。
すると、爽の瞳も、潤んでいた…。
「…僕も、更莉ちゃんが好きだよ。」
爽は、そう呟くと、
私を抱き締めた。
……爽の吐息が、
首筋に触れる。
「…ごめん。こんな小さい男で。嫉妬なんかして、みっともないよね…。」