君は星
炎の光に揺らめくその笑顔は、やはり愛しくて…

手を取り、
くるくると踊る。

これで立ち位置が逆ならば、どんなに嬉しかったことか…。





あっという間に二人の時間は終わってしまった。





━━━━そう、思った。





次の子と踊るのだ、
という瞬間、





"吉岡爽"は
私の手を強く引き、
輪から駆け出した。





「えっ!?」








校庭の隅の花壇。

私たちは、お互い息を切らしている。

「…爽…?
 どう、したの…?」

「だって…もう、踊る必要はないでしょ?」





━━━━あ。

この表情は…





"男の子"の"吉岡爽"だ。





「でも…っ」

止まらない、憤り。





「私は…"女の子"の"木田更梨"として、爽と踊りたかった…っ。」





あなたは、何を思う?

そんなの無理だよね。

ワガママだよね。

自己中心的だよね。



でも、"爽"だから、
私の気持ち…
正直に言えたの。

それだけは、
分かって欲しい…。










「僕は」
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