君は星
花壇に腰掛けた爽と私は、自分達の抜けた輪を眺めていた。

そう。

最初は少しどよめいていたけれど、またすぐに、みんなはくるくると踊り出した。



私の手の上に重なった、爽の掌は温かく心地よくて

キャンプファイアを見つめる爽の横顔は、揺らめく炎に煌めく。

長いまつげ。



私は無意識に、爽によりかかった。

その瞬間気付いたけれど、でもそのままでいた。



「ねぇ、爽?」

無意識に、
紡ぎ出される言葉。

「何?」

「本当に私のこと…」

「好きだよ。」

見透かされてしまった。

私のことを、分かってくれているんだ。

それでも私は、思いのたけを吐きだそうと…。

「でも」



爽は黙って聞いてくれる。


「爽はやっぱりアイドルで…爽がよくても、ファンとか事務所が…それは、どうするの!?」

爽の想いは信じられる。

でも、それだけじゃどうにもならないことだってある。





「僕は」
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